オギヌの感想

読書や映画の感想を書いておく場所

超高齢社会2.0

  • 要点

モザイク型就労

リビングラボ

  • 内容と感想

日本の高度経済成長を支えたピラミッド型の人口構成が、今や逆ピラミッド型へとなりつつある。

ところがそのグラフを逆から見ると、再び綺麗なピラミッドが見えてくるではないか!

という本。

働く能力や意力はあるが働けていない高齢者は多く、彼らがうまく働けるシステムをつくることで 日本の労働力を補うことができる。

しかし今までの就労システムは、高齢者にマッチしたものではない。

そこで、モザイク型就労というシステムを提案している。

モザイク型就労とは、時間、空間、スキルという3つの軸について バラバラの場所にいる高齢者の労働力を組み合わせることによって、 仮想的な労働者を作り出すシステムである。

これを実現するために、 テレイグジスタンスやマッチングサービスといった ICT(情報通信技術)を活用する。

このシステムは高齢者だけでなく障害者の就労支援としても応用できるし、もっと言うと現代の働き方改革において誰に対しても使えるシステムかもしれない。

かもしれない。うーん、個人的にはフリーランスとか憧れる部分があるから良いけど、 若いうちはそんなコンサル的立ち位置よりも責任のある仕事をやってスキルと経験を積むべきとか考えると、やはりシニアに合ったシステムかもしれないなあ。と思った。

あと、本筋ではないけど、リビングラボの説明があって、今回の例でいうと高齢者のコミュニティに近い場所とか自治体をひっくるめたような研究所で、研究のテストとかフィードバックがすぐに得られる研究所っていうのが魅力的だと思ったのであった。実験系なんて何も考えずとも文字通りリビングラボかもしれないけど。